真夜中の刑事/Python357
                  1976年/フランス

                  監督:アラン・コルノー

                  脚本:ダニエル・ブーランジェ/アラン・コルノー

                  音楽:ジョルジュ・ドルリュー

                  出演:イヴ・モンタン
                      ステファニア・サンドレッリ
                      フランソワ・ペリエ
                      シモーヌ・シニョレ
               

中古ビデオ屋で購入しました。お得な2本組みです。レンタルビデオ業界にも抱き合わせという考え方

があることに感動します。片方しか観たくない場合はレンタルする事を躊躇しないのかと心配

させられる一品であります。(コーザ・ノストラはまだ観ていないです。)

仕事一筋の中年刑事が恋に落ちる物語です。しかし、好きになった相手が自分の勤務先の

上司(署長)の愛人だったから大変です。

ある日、署長が愛人の部屋を訪れた際、好きな人が出来たと告げられ、怒りのあまり勢いで殺害して

しまいます。そして殺人の容疑を主人公のフェローに着せようとします。

次第に追い詰められていくフェロー。何にも悪い事していないのに可哀想です。

容疑を晴らそうとすればする程、不利な状況に追い込まれていきます。不可解な行動を取る為、

部下にも疑われ始めます。そんな時、スーパーマーケットで強盗事件が発生します。

先に現場入りしたフェローの部下が窮地に追い込まれてしまいます。そこにフェローが駆けつけ、

激しい銃撃戦が繰り広げられます。

フェローが鼻歌まじりで浮かれながら彼女の部屋を訪問するシーンが切ないです。

この時、フェローは気づきませんが、既に彼女は署長に殺された後です。今まで仕事一筋だった

刑事が、久しぶりの恋に胸ときめかせて小踊りしている姿を住人に目撃されたりします。

中年男性が夜更けのマンションの廊下でそんな事をしていたら明らかに怪しいです。恋は盲目です。

このシーンを見るたび「あ〜フェロー浮かれすぎ!人に見られているよ!」と叫びたくなります。

原題のPython357というのは、主人公の所持している拳銃の名称です。物語が進むにつれて、

その拳銃が容疑をかけられていく要因の一つなります。終盤、フェローがマンションで目撃された

人物から自分の顔をわからなくする為にとる行動が壮絶です。

フェローの乗る車には電話が搭載されています。この当時としては画期的な装備だったと思われます。

インパネの下の方に大きな受話器がぶらさがっていている様は豪快でカッコイイです。