Mission1/トリのオーナメントを捕獲せよ!
ある日、さんかくけいGに指令が下されました。
白山陶器のショールームに行ってトリのオーナメントを捕獲せよ!その際、友達の誕生日プレゼントも同時に購入するように!
ショールーム兼直売店は、表参道の交差点から少し入ったところにあります。表参道といえば、とってもオシャレなエリアです。私、オシャレタウンが苦手なのです。中央線の庶民的な雰囲気に慣れ親しんでいる私には、なんだか居心地が悪いのです。

そんなオシャレとは無縁のおじさんが、オシャレタウンのオシャレな通りをキョロキョロしながらトリを探します。明らかに場違いな私。何かの罰ゲームのような気分です。プラダやシャネルのショップが威圧感たっぷりに威嚇してきます。

しばらく歩くと目的地のビルを発見。ショールームの入っているビルは、かしこまった雰囲気もなく、私にも入りやすい感じで、ほっとひと安心です。しかし、油断するのは少し早かったようです。店舗に入ると過酷な状況が待ち構えておりました。

シンプルにまとめられた店内に食器たちが整然と並べられております。ダウンライトに照らされた食器たちがキラキラと輝いており、とってもお洒落な雰囲気です。店内には私以外の客はおらず、貸切状態です。最初はあくまでも「いや〜ちょっとしたお皿が欲しいと思ってさ〜。」という一般の客を装い、食器の中にトリを探します。その様は、明らかに挙動不審だったと思われます。

そんなに大きくない店内をウロウロすること数分。お皿の後ろ、陳列台の隅、どこを探してもトリがおりません。もしかして製造中止?不吉な考えが脳裏をよぎります。

このまま店を出るか、恥をしのんで「トリありますか?」と聞いてみるか、食器を物色するふりをしながら、さらに悩むこと数分・・・このまま帰ったらさんかくうに軟弱者!と言われる事でしょう。聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥!勇気をふり絞りスタッフの方に聞いてみることにします。

「あ、あの〜ス、スイマセン、トリのオーナメントありますか?」

笑顔でスタッフの方がレジ後ろのストック棚から、悩んでいた私が馬鹿らしくなる位あっさりと、トリ達を出してくれました。通常、展示サンプルは出していないようです。
「種類はオスとメスがあって、色が黒と白の2色ありますが?」

とスッタッフの方。もうここまでくれば迷いはありません。ああ、言ってやりましたとも!

「各1個づつ、それとは別に黒のオス1個をプレゼント用に包んでください!」

こんな時までコンプリートをしてしまう自分が悲しいです。スタッフの方が笑顔で続けます。

「全部で5個ですね。残りの4個はご自宅用でよろしいですか?」

ああ、いいですとも、ホントに自分用ですから・・・こんなにトリばかり買う客なんて私以外にいるのでしょうか?あとは、プレゼントした友達が気に入ってくれる事を祈るばかりです。