その他バリエーション
この車が企画されたのはバブル真っ只中でした。モーターショーで発表して、好評であった為、

販売される事になります。

いざ発売された時には、すっかりバブルがはじけ飛んだ後であり、世の中には節約という言葉が

蔓延しておりました。そんな時期に二人乗りの荷物もほとんど積めない高額な軽自動車が

売れるはずがありませんでした。

しかし、メーカーとしては、作ってしまった在庫をなんとか処分しなくてはなりません。その手段

として登場したのが一部ボディ・パーツを変更した限定車です。AZ-1のボディはプラスチック製

で簡単に取り外しが出来る為、カスタムには向いていたのだと思います。

在庫一掃という期待を一身に背負って(勝手な想像です。)登場したのが“マツダスピード”

バージョンです。ノーマルとは異なるボンネット、バンパー、リアスポイラーを装備しており、

ボディカラーは単色で統一されていました。ノーマルに比べるとかなり攻撃的な印象を受けます。

真っ赤なマシンは小さいフェラーリみたいでかっこ良かったです。
「社長!まだまだ倉庫は在庫の山です!!」
と言ったかどうかは分かりませんが、次なる限定車が発売されました。

“M2 1015”バージョンです。ボンネットに埋め込まれたフォグランプが特徴です。

ただでさえ狭いボンネット内部をフォグランプの設置スペースがさらに圧迫する事になり、余分な

スペースがほとんど無い“男仕様”になっております。マツダスピードバージョンとは異なる

リアスポイラーが装着されておりました。ボンネットのライト部分が異形ヘッドライトに見えるような

形状にくりぬかれておりました。チョイワル顔で迫力ありました。
限定車を含め、最終的な生産台数は4000台を少し越える位らしいです。

当時は販売に苦労した車でしたが、現在では人気の高い車であります。

流通台数の少なさもあり、年々価格は上昇の傾向にあります。程度の良い車は新車販売時の

価格とほとんどかわらない価格のものもあるようです。