オートザム(マツダ) AZ−1

しばらくの間、車が必要な時は実家の車を借りるという生活をしておりました。

まあ、なんの不便のなかったのですが、やはり自分の車が欲しくなってきます。

そんな時、ふと悪魔が私に囁きかけました。

「実家には荷物がたくさん積める車があるんだろ?だったら、
自分用に実用度外視の車を買っちまいなよ〜。」

そんな悪魔の誘惑に勝てる訳もなく、5代目の車を探す事にしました。

古い外車や70〜80年代位の日本車なんてものに一度は乗ってみたいものですが、

とても自分でメンテナンスして維持を続ける自信がありません。

やはり、比較的年式が新しく、維持費もお手軽なもので・・・・

そんなセコイ考えで選考していくと、候補は軽自動車の2シーター、スポーツタイプの車になりました。

ホンダ ビート、スズキ カプチーノ、オートザム AZ-1の3台の中から選ぶ事にします。

当時、3台の中古車相場は、AZ-1>カプチーノ>ビートの順番でした。
 
懐具合からするとビートなのですが、ランボルギニー・カウンタックに衝撃を受けた世代としては、

ガルウイングの車に一度乗ってみたくなります。そんな訳でAZ-1が第一候補になったのですが、

いかんせん値段が高すぎます。私の購入した初代トゥデイは中古で30万円くらいでしたが、

AZ-1は中古のトゥデイを4台位買える金額だったのです。

「いや〜、やっぱり無理だよなー。」

なんて思いつつも、とりあえず実車を見に中古車屋へ行くことにしました。ちょうど、欲しいブルーの

車体色のAZ-1がありました。ブレードランナーのポリススピナーっぽくて素敵です。

「試乗出来ないのですか?」

と尋ねると、契約後でないとダメとの事。高い買い物なのに、契約しないと試乗できないなんて・・・・

そんなもんなんでしょうか?しかし、エンジンをかけずとも、運転席に座ると“欲しい!”という衝動が

抑えられなくなります。今日は見るだけにしようと思っていたのですが、気がつくと契約しておりました。
AZ-1はこんな車でした。
  @ガルウイングドア

    ドアを真上に跳ね上げて乗り降りします。雨の日には傘代わりになってとっても便利です。

    乗り降りの際、たいていの通行人はビックリするか、指をさして笑います。

    国産車で他にこのように変則的なドアの開き方をする車は、トヨタのセラか西部警察の

    大門部長が乗るスーパーZくらいです。希少です。



  Aボンネット内部

    一応、猫の額ほどのラゲッジスペースがあります。三角板1つくらいなら積むことができます。

    あとの荷物は助手席に積みましょう!2人で乗車の場合は助手席後ろにプレステ2台くらい

    積めるスペースがあります。


  B車高

    シートに座った状態でドアを開けて、道路に落ちている物を楽々拾える程の車高の低さでした。

    ダンプの後ろにつくと車体の下に入ってしまいそうな気がして少し怖かったです。



  Cスペアタイヤ

    運転席の後ろ、後頭部あたりに搭載されていました。なんでこんな所に?と思いますが、他に積める

    ようなスペースが無いのです。

    (最初はボンネットに収納の予定が、衝突安全テストの結果室内に変更されたみたいです。)



  Dエンジン

    初期型カプチーノと同型のスズキ製エンジンを後ろに積んでおりました。
  E窓

    ほんの少しだけ窓が開きます。高速の料金所ではびっくりされる事が多かったです。

    はたから見ると、囚人が鉄格子の間から手をだしてもがいているように見えます。

AZ-1という車は乗り手を選びます。ドライビングテクニックとかそういう問題でなく、体型・体質的な事です。

室内が極端に狭いので、背の高い人、かっぷくの良い人にはかなり窮屈だと思われます。

座席はバケットシートが標準仕様でありました。その為、背もたれの角度調整などは出来ません。

前後の調整のみ行えます。(助手席はスライドすら出来ません。)

かなりスポーティーなドライビングポジションであり、体の重心が腰に集まるような感じで、

腰痛持ちの私には、かなり辛かったのです。その為、長時間運転していると腰に激痛が走り、

運転席から這い出せないような状態になっておりました。
私の人生の中で1番楽しい車であった事は間違いありません。

しかし、腰痛を我慢し続けてずっと乗っていくことは現実的ではなかったのです・・・。
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